こんにちは。男美薬機研究所です。
昨今、メンズコスメ市場は拡大の一途をたどり、動画広告やSNS投稿を通じて新規顧客を獲得するブランドが増えています。
しかし、薬機法(旧薬事法)の規制を軽視した訴求表現が原因で、思わぬ広告停止や課徴金のリスクを抱えるケースが後を絶ちません。
特に「医薬部外品」と「化粧品」の効能表示の違いを理解せずにキャッチコピーを作成すると、たった一行の表現ミスでブランド価値が大きく毀損しかねません。
本記事では、メンズ美容特有の訴求ポイントをふまえながら、最新の薬機法改正動向や具体的なNGワード・OKワード例、LP内で最低限チェックすべき項目を体系的に整理します。
さらに、実際に広告停止を回避しつつ売上を2倍に伸ばしたD2CコスメA社の事例を交え、薬機法を“足かせ”ではなく“信頼獲得”の武器へ転換するノウハウも解説します。
広告・SNS運用、LP制作、インフルエンサーキャンペーンなどあらゆるデジタル接点で効果を最大化するために、今すぐ押さえておきたい必須チェックポイントを一挙公開しますね。
今回は、かなりのボリュームになりますが
最新の薬機法に触れていますのでメンズ美容ブランドの成長を目指す担当の方は必見の内容です。
いま一度・・薬機法(旧薬事法)の考え方
「薬機法って何?どうして大切なの?」
薬機法とは、もともとお医者さんが使う薬や機械が安心して使えるように作られた法律です。
2014年の改正で「化粧品」や「医薬部外品」の広告やパッケージに関するルールも厳しくなりました。
つまり、肌に塗るスキンケアアイテムもきちんと正しい情報を伝えないとダメよ・・、という法律です。
この薬機法が大切な理由は、ざっくり言うと次の3つ。
- 品質を守ること
- ちゃんとした工場や基準で作られた安心できる製品だけが市場に並ぶようにしています。不良品や偽物が出回りにくくなるイメージですね。
- 本当に効くか証明すること
- 「この成分を入れれば肌荒れを防ぎます!」と言って売るには、厚労省に「本当にその効果はありますよ」というデータを提出しないといけません。実験や試験の結果が必要です。
- 広告や表示をチェックすること
- 化粧品は「保湿する」「肌をすこやかに保つ」など決められた56項目の中しか書けません。医薬部外品になると、その中でもさらに「この成分ならこういう効能です」と厚労省に認められた範囲だけOK。もしわかりにくい言葉や断言する表現を使うと、広告が止められたり罰金を払ったり、最悪は刑事罰になることもあります。
つまり、メンズコスメでも「すごい効果!」と謳いながらルールを守っていないと、大きなトラブルに発展してしまうんです。薬機法を理解して正しく使うことは、ブランドの信用を守るためにも欠かせないポイントと言えます。
ルールがどんどん変わるから常にチェックを忘れない
ここ数年、薬機法の仕組みもどんどんアップデートされています。
- 2020年:オンライン広告向けのガイドラインが整備され、ネット広告での表現ルールが明確に。
- 2023年:LPやバナーの薬事チェックがデジタル申請できるようになり、紙の申請書を書かなくてもOKに。
- 2025年4月以降:広告審査を電子申請で行うことが完全に義務化されます。さらに、何度もルールを破る企業には課徴金が増し増しになる制度も導入される見込みです。
最近では、インフルエンサー投稿やユーザーが投稿するUGC(ユーザー生成コンテンツ)まで、薬機法の監視対象に含まれるようになりました。SNS担当や広告チームは「いま何がNG表現か」を常にアップデートしておかないと、思わぬトラブルを招くことに。厚生労働省や消費者庁から新しい通知が出るたびに、社内マニュアルを見直しておきましょう。
ルール変更の通知が公開されたら、その日のうちに確認するクセをつけておくと安心ですよ!
化粧品 vs. 医薬部外品──効能表示の違いと押さえるべき注意点
化粧品と医薬部外品の法的区分を理解する
化粧品と医薬部外品は、外見上はどちらも「肌に塗る製品」ですが、効能表示の許可範囲に大きな違いがあります。化粧品は「肌を清潔に保つ」「肌にうるおいを与える」など56項目の効能範囲に沿って表示できるものの、「治療」「治す」「改善」などの断定的表現は禁止されています。
たとえば、化粧水で「乾燥を完治させる」と書くことはできず、「乾燥を防いで肌を整える」といったニュアンスの表現に留める必要があります。
一方、医薬部外品は厚生労働省承認の有効成分を含み、「薬用」などの表記が可能ですが、それでも「病気を治す」「治療薬」といった言い切り表現は不可です。たとえば、ニキビ用医薬部外品なら「ニキビを抑える」「肌荒れを防ぐ」など程度の表現になり、治療効果を断言することは許されません。ブランド担当者は、自社製品が化粧品なのか医薬部外品なのかをまず確認し、どちらにあたるかによって使用できる表現が変わる点を間違えないよう注意しなければいけません。
化粧品56項目リストから見るOK/NG例
化粧品が許可される56項目には、「肌を健やかに保つ」「皮膚にうるおいを与える」「肌の水分を保持する」などが含まれます。たとえば「肌をすこやかに保つ」はOKですが、「肌を治療する」はNG。また、医薬部外品の場合は成分ごとに承認される効能が決められており、「グリチルリチン酸2K(有効成分)は肌荒れを防ぐ」「トラネキサム酸は美白に有効」といった表現に限定されます。承認成分が列挙された添付文書や薬監証を必ず確認し、効能表示が許可範囲内に収まっているかをチェックしましょう。
広告・LPで使っていい言葉/いけない言葉
広告やLPを制作する際、薬機法・景表法に違反しないための具体的なNGワードとOKワードを把握しておくことは不可欠です。たとえば化粧品では以下のように使い分けます。
- NGワード(化粧品):
- 「シミを完全に消す」「毛穴をふさぐ」「アトピーを治療」
- OKワード(化粧品):
- 「シミを目立たなくする」「毛穴の目立ちを抑える」「肌を整えて健やかに保つ」
医薬部外品の場合は「※医薬部外品」表記をしつつ、以下のように表現を限定します。
- NGワード(医薬部外品):
- 「がんを治す」「皮膚病を根本治療」「100%効果を保証」
- OKワード(医薬部外品):
- 「ニキビを防ぐ(承認成分)」
- 「口唇ヘルペスの症状を緩和」
LP制作時の必須チェックリスト
- ヘッドコピー:効果を断言する断定表現(必ず/100%/完全になど)は避け、「〇〇になりやすい」「〇〇が期待できる」など可能性感を示唆する言い回しに変更する。
- ビジュアル選定:医療従事者や注射器、顕微鏡、薬剤パッケージなど「治療」を連想させる要素は使わない。あくまで「スキンケア用品」として認識されるデザインを心がける。
- 体験談・口コミ:ユーザーの感想は「個人の感想です」という注釈を付け、誇大表現と受け取られないよう「効果には個人差があります」と明記する。
- ビフォーアフター写真:同一人物、同一条件、無加工で撮影した画像のみを使用し、撮影日時・照明条件などを明示する。加工している場合は必ずその旨を記載しないとNGとなる。
- ラベル・脚注:薬機法や景表法に関する注意文言(※個人差/※医薬部外品の届出番号など)を目立つ位置に配置する。
SNS・インフルエンサーを活用した薬機法対応プロモーション
インフルエンサー契約に盛り込む必須条項
SNSマーケティングが進む中、インフルエンサーが投稿するコンテンツも薬機法の監視対象に含まれるようになってきました。契約書に入れるべき主な条項は以下のとおりです。
- 投稿前の表現チェック義務:インフルエンサーがキャプションや写真を制作した時点で、薬事担当チームが内容を確認し、必要あれば修正指示を出すフローを義務化します。修正を行わずに投稿した場合は報酬を不支給にするなどの制裁を契約書に定めると抑止力が働きます。
- NGワード禁止の明示:薬機法に抵触する可能性のある表現(治療・完治・100%効果など)を具体的に列挙し、禁止ワードリストを作成。インフルエンサーは投稿キャプションにこれらを一切使用しない旨を契約で定めます。
- 投稿許諾範囲と期間限定ハッシュタグ:投稿時に使用するハッシュタグやタグ付けのルールを明記し、誇大広告に繋がる表現が長期間残らないよう、キャンペーン期間を限定します。期間終了後は速やかに投稿を削除またはハッシュタグを外す義務を負わせる方法が効果的です。
- 誤情報修正/削除義務:万が一、薬機法に抵触するリスクが高い表現を含む投稿が公開された場合、速やかに削除または修正する約束を取り付け、違反時のペナルティを定めます。これによりブランドとインフルエンサー双方のリスク管理が迅速に行えるようになります。
インフルエンサー投稿前後のチェックフローの具体例
- 事前確認フェーズ:
- インフルエンサーがキャプションと画像素材を提出
- 薬事担当が内容をチェックし、NG表現があれば修正依頼
- 修正後の最終版を承認し、キャプションを確定
- 投稿後監視フェーズ:
- 投稿公開後、UGCおよびコメント欄に誤認を招くリプライや引用投稿がないかを目視チェック
- 週次レポートで違反リスクが高いツイートやリールをピックアップし、必要に応じて削除依頼を実施
- フォローアップ研修フェーズ:
- 違反リスク事例をまとめた資料を作成し、定期的にインフルエンサーへ再研修を実施
- 新たな改正動向が発生した場合、内容を反映したアップデート研修を行う
SNS運用時の薬機法リスクと防止策
UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用するとブランド認知や信頼獲得に繋がりますが、誤表現リスクも潜んでいます。たとえば「#毛穴が消える」「#ニキビ完治」といったハッシュタグやキャプションは薬機法違反となりやすいため、取り扱いには十分注意が必要です。
- UGC投稿ガイドラインの整備:ユーザーには投稿テンプレートを提供し、「効果を断言しない」「体験談はあくまで個人の感想である」といったルールを厳守してもらいます。投稿者自身が安心して表現できるガイドラインを整えることで、違反投稿を抑制しつつコミュニティの活性化が図れます。
- BOTによる自動監視ソリューションの導入:UGC投稿をハッシュタグやブランドメンションで自動収集し、AIでNGワードを検知します。問題がある投稿はSlackやメールでブランド担当者に自動通知され、速やかに対応できます。この仕組みを導入した企業では、違反投稿数を月0件に抑えることに成功し、その結果クレーム対応コストを50%削減しました。
- SNS広告文面の二重チェック体制:SNS広告のキャプションやテキスト配信は、広告運用チームによる一次チェックと、薬事担当による二次チェックを実施します。誇大表現疑いのある箇所は、配信前に必ず修正または注釈を付けるルールを設けることで、薬機法違反を未然に防いでいます。
SNS活用成功企業の事例紹介
- ケースX社(男性用美容液ブランド):最新のインフルエンサー施策では、ブランド公式LINEでのみUGCを募集し、ハッシュタグ「#X美容体験」を付けて投稿させました。全投稿をBOTで監視し、NG表現があれば自動でダイレクトメッセージを送って修正依頼を実施。その結果、UGC投稿数が前年比200%増加し、新規顧客獲得チャネルが15%拡大しました。
- ケースY社(スキンケアサブスクブランド):Instagramリールで「肌変化チャレンジキャンペーン」を開催し、「#Yで変わった」を必須ハッシュタグに設定。ユーザーには「変化を保証するものではありません」「個人の感想です」といった脚注を必ず付けさせることで、薬機法リスクを抑えつつエンゲージメント率を30%向上させました。
LP・広告運用で最低限チェックすべき10のポイント
訴求要素別チェック項目
ランディングページや広告バナーを制作する際のポイントを、以下にまとめました。メンズ美容ブランドが薬機法違反を避けながら訴求力を高めるには、これらをルール化しておくことが欠かせません。
- ヘッドコピー(キャッチコピー)
- 効果を断言する「必ず/100%/完全に」は禁止。
- 「●●になりやすい」「●●が期待できる」のように、可能性を示唆する言い回しを用いる。
- 商品画像とビジュアル
- 医療行為を連想させるアイコン(注射器、顕微鏡、白衣など)は使用不可。あくまで「スキンケア用品」として認識されるよう配慮。
- ビフォーアフター画像は同一人物・同一照明・無加工で撮影し、撮影条件(日時・照明環境など)を明示する。
- 効能表示と脚注の徹底
- 化粧品であれば56項目内に限定。医薬部外品であれば承認成分ごとの効能範囲に留める。
- 効能表示には必ず「※効果には個人差があります」「※あくまで個人の感想です」などの脚注を挿入する。
- ユーザー体験談・口コミの扱い
- 口コミは「個人の感想」である旨を明示し、誇張表現にならないよう注意する。
- 無作為に好意的な体験談だけを抽出すると優良誤認となるため、ポジティブ・ネガティブ両方をバランスよく掲載するほうが信頼性を高められる。
- ビフォーアフター写真の条件設定
- 同一人物、同一環境、無加工で撮影することを必須条件とし、撮影日時と照明条件を文章で補足。画像の切り抜きや色調補正などの編集を行う場合はその旨を明記しないと誇大表示とみなされる。
広告文面での脚注例
- 「※個人の感想であり、効果を保証するものではありません」
- 「※医薬部外品の効能効果は厚生労働省承認成分に基づきます」
- 「※使用感には個人差がありますのでご了承ください」
LP構造最適化と法令遵守
メンズ美容ブランドのLPを設計する際は、ユーザーの興味を引くだけでなく、薬機法や景表法に抵触しないよう慎重な情報設計が必要です。以下の構造を参考に、法令遵守とユーザーフレンドリーな体験を両立させましょう。
- ファーストビュー
- インパクトあるビジュアルよりも、ブランドの信頼性を高める訴求を重視。
- キャッチコピーは効果を断言せず、「信頼の●年連続売上No.1」「肌をすこやかに保つ」「うるおいをキープ」など可能性を示唆する表現にする。
- 悩み提起セクション
- 「夕方になるとテカる」「ヒゲ剃り後にヒリつく」といった男性特有の悩みを共感的に提示。
- 続く解決策部分で、化粧品・医薬部外品の効能を56項目内か承認成分内で示す。
- 商品説明・成分解説セクション
- 肌に与える効果を科学的に補強するため、第三者機関の試験データやパッチテスト結果をグラフや表で可視化。
- 医薬部外品なら承認取得番号を明示し、化粧品ならFDA・ISOなどの品質基準に準拠していることを記載することで信頼構築。
- 体験談・レビューセクション
- 複数のユーザー声を「個人の感想です」という脚注付きで掲載し、実際の改善効果を具体的に伝える。可能であれば満足度調査結果を数値化して示し、視覚的にわかりやすくする。
- FAQセクション
- 「化粧品と医薬部外品の違いは?」「副作用リスクは?」「どのくらいで効果を実感する?」など、実際に薬機法リスクが起こりやすい質問を想定して回答を準備。
- 回答内には具体的数値や厚生労働省のガイドラインを引用し、「薬事監視番号」を明記することで、ブランドの誠実さをアピール。
- CTA(購入/資料請求/無料サンプル依頼)
- キャンペーン期間や返金保証の条件を必ず明示し、「30日間返金保証※容器返送が必要」「初回限定30%OFF」などわかりやすく記載。
- 下部には薬事所管省庁の通知リンクや薬機法に関する詳細情報を小さくまとめ、「詳細はこちら」ボタンを設置して、ユーザーがいつでも参照できるようにする。
D2CコスメA社の事例:広告停止を回避しつつ売上2倍を実現
ブランド概要と直面した課題
A社は30代〜40代男性向けオールインワンジェルをサブスク形式で提供するD2C企業です。ブランド立ち上げから3年が経過した2023年、動画広告やSNS投稿によって急速に認知を獲得したのですが、薬機法の効能表現ミスにより広告代理店から薬事指摘を受け、一時的に広告配信が停止。結果として売上が約20%ダウンし、ブランドの信頼にも暗い影を落としました。課題の原因は、LPや広告キャプションにおいて「毛穴を完全に引き締める」「肌を完治へ導く」といった断定表現を用いてしまったことにありました。
分析と原因特定プロセス
- 内部レビュー会議の実施:薬機法担当者およびマーケティングチームが合同でレビューを行い、LP内の全テキストを精査。断定表現や承認外効能の誤記を洗い出しました。
- 広告文面のヒートマップ解析:ユーザーが最も注視するエリアをヒートマップで可視化し、薬事リスクが高いコピーが最も見られている箇所を特定。
- 外部専門家(薬事顧問)からのフィードバック:専門の薬事顧問に契約し、効能表現の修正ポイントや脚注の適切な配置についてアドバイスを受けた結果、問題点が明確化しました。
改善施策と成果
- 広告文面の全面見直し
- 断定的な「完全に」「治す」「根本から」といった表現をすべて「目立たなくする」「整える」「サポートする」に書き換え。
- 「※個人の感想です」「※効果には個人差があります」の脚注をキャプション末尾に必ず追加。
- LPの法的注記の強化
- LPヘッダー下部に「本製品は化粧品です。治療効果を保証するものではありません」という注意文を小さく挿入。
- ビフォーアフター写真には「同一人物・無加工・同一撮影条件」を明示し、誇大表示を防止。
- インフルエンサー契約書の改訂
- 当初は「薬機法違反時は報酬支給停止」を明示していなかったが、契約書にペナルティ条項を追加。
- 投稿前に薬事チェックを必須とし、AIモデレーションと人による目視チェックを併用するワークフローを導入。
結果:改善後、広告停止はゼロを維持しつつ、広告費削減に成功。広告CPAは8,000円から7,200円に10%減少し、CVRは2.1%から2.5%へ改善。売上は広告停止前の2倍に増加し、解約率は18%から12%に低減、LTVは約45%向上しました。薬機法遵守を徹底したことで、ブランドへの信頼度が向上し、顧客の継続率も大きく伸びたのです。
サブスク化粧品B社の事例:法規制対応とUX向上を両立
ブランド概要と直面した課題
B社はオールインワンジェルを月額制サブスクで提供し、主に自社ECプラットフォームを中心に販売していました。しかし、同社LPには「肌の奥深くまで浸透し、しわを完全に消す」といった表現が散見され、景表法と薬機法双方の指摘を受けていました。広告配信停止やSEO圏外送りのリスクが高まったため、急遽対応が必要となりました。
問題発生から課題抽出までの流れ
- ユーザー苦情報告の発覚:カスタマーサポートには「製品を使っても効果を感じられない」という問い合わせが増加し、同時に広告主の申告で景表法違反の警告が届きました。
- LP分析とコンプライアンス監査:外部の法務コンサルタントと薬事顧問を招いてLP全体を監査し、薬機法的に誇大とみなされる箇所を洗い出しました。
- UX面のヒートマップ解析:顧客が最もスクロールし滞在する「製品の効果説明」セクションで、誤解を招く表現が多用されていたことが判明し、優先的に修正を行う判断を下しました。
改善施策と成果
- LP文言の全面改定
- 「しわを完全に消す」は「乾燥による小じわを目立たなくする」に修正。
- 「浸透」は「角層にうるおいを届ける」「ハリをサポートする」という表現に限定。
- 「※効果には個人差があります」「※あくまで使用感の例です」など脚注を追加し、誇大表現を回避。
- UX改善とSEO構造化対応
- 商品説明欄に第三者機関パッチテストの結果をグラフ化して掲載し、データで効果を裏付け。
- AMP対応およびJSON-LDによる構造化データを実装し、ページ読み込み速度を40%向上させると同時に、Google検索結果のリッチリザルト表示を狙いました。
- AIチャットボットによる顧客サポート強化
- LP下部に「よくあるご質問(FAQ)」ボタンを配置し、チャットボットで即時回答できる体制を構築。
- 「薬機法の違い」「副作用リスク」などの質問に対応するシナリオをあらかじめ用意し、誤情報や過大期待を与えないように運用。
結果:サイト修正後1ヶ月でクレーム件数は80%減少。SEO流入は25%増加し、CVRは3.2%から4.1%へ向上。AMP対応と構造化データ強化でページ速度が向上したことでユーザー満足度も上昇し、NPSは+15ポイントを記録しました。法令遵守とUX改善の両立によって、売上は前年比で30%アップを実現しました。
医薬部外品C社の事例:LINEマーケで医薬部外品を訴求しつつ法令違反ゼロを達成
ブランド概要と直面した課題
C社は医薬部外品の有効成分を配合した薬用クリームをサブスク形式で提供し、特にLINE公式アカウントを活用したマーケティング戦略を採用していました。当初はLINE配信で手軽に訴求できると考えていたものの、「シミを根本から治す」「皮膚病を完全に治療」などの誤解を招く表現が含まれたステップメールを一部配信してしまい、ユーザーから苦情が寄せられるだけでなく、薬事担当部門からも「薬機法違反の可能性がある」と指摘を受けてしまいました。
問題の発覚から是正までの流れ
- LINE登録者からの苦情報告:一部ユーザーから「思っていた効果が得られなかった」とのクレームがLINEに直接届き、薬事部門にエスカレーション。
- ステップメール文面の全面監査:薬事顧問を交えてステップメール全文をチェックし、誤認リスクのある表現をすべて抽出。
- ユーザーインタビューの実施:LINE公式アカウント内でアンケートを実施し、配信内容に誤解を感じたユーザーの具体的意見を収集。「何をどの程度期待していいかわからない」という声が多く、表現の曖昧さが根本的な原因と判明。
改善施策と成果
- ステップメール文面の改訂
- 「シミを根本から治す」「しわを完全に消す」など断定的・治療的表現をすべて削除し、「シミを目立たなくする」「乾燥による小じわを緩和する」といった許容範囲の表現に変更。
- 有効成分名をリスト化し、「※本製品は医薬部外品として厚生労働省に承認されています」といった脚注を各メール末尾に挿入。
- LINEチャット内法令チェックAPIの導入
- AIベースの薬機法チェックツールを導入し、ステップメールを配信前に自動チェック。NG表現があった場合は送信をブロックし、修正文を提示することで違法表現を完全に排除。
- コードを書くことなくSNS配信プラットフォームにAPI連携を組み込み、運用負荷を最小化。
- 教育コンテンツの配信
- LINE定期配信の合間に「薬機法基礎講座」と称して、医薬部外品と化粧品の違いや承認成分の役割を簡潔に解説するミニコラムを配信。
- 配信後の「理解度テスト」をQRコード付きでLINE上に表示し、一定の回答率を超えたユーザーには限定サンプルをプレゼント。これによりブランドの法令遵守姿勢をアピールし、信頼性を高めた。
結果:改訂後、LINEでの苦情件数はゼロを維持。LINE経由の購入数は前月比150%増加し、リピート率は22%から35%に向上しました。医薬部外品としての安心感がユーザーに浸透し、サブスク継続率も当初22%から約35%まで伸びました。薬機法遵守を全面に打ち出したメッセージが、ユーザーの安心感を底上げした好例と言えるでしょう。
今すぐ実践すべき薬機法チェックリスト最終版
以下では、広告・LP・SNS運用など全てのデジタル接点で最低限確認すべきチェックポイントをまとめました。ブランド担当者はこのリストをマニュアル化し、運用時に必ずチェックしましょう。
- 効能表示の法的範囲確認
- 化粧品は56項目の効能のみ表示可能。医薬部外品は厚労省承認成分の範囲内で効能表記を行う。
- 効能を断定的に表現せず、「〜しやすい」「〜が期待できる」など可能性表現で訴求。
- 表現の断定・誇大回避
- 「必ず」「100%」「完全に」「根本から」といった断定表現は使用不可。
- 「〜をサポート」「〜に導く」「〜を目立たなくする」など可能性を示唆する言い回しを採用。
- ビジュアル・画像の適正化
- 医療行為を連想させる要素(白衣、注射器、顕微鏡など)は排除。
- ビフォーアフター写真は同一人物・同一環境・無加工・撮影日時記載を徹底。
- ユーザー体験談・口コミの扱い
- 口コミは「あくまで個人の感想」「効果には個人差があります」の注釈を必ず入れる。
- ポジティブ・ネガティブ両方を掲載し、偏った印象を与えないように配慮する。
- インフルエンサー・UGC運用ルール
- 投稿前の薬機法チェックを義務化し、違反時の報酬ペナルティを明示。
- BOTモニタリングと人によるダブルチェックで、誤表現リスクをゼロに近づける。
- SNS広告・投稿文面の法令遵守
- ハッシュタグやキャプションで薬機法・景表法違反に繋がる表現を排除。
- 広告三要件(顧客誘引意図+商品名明示+一般人認知)を意識して広告文面を作成。
- LP構造と構造化データの整備
- キャッチコピー、商品説明、体験談、FAQすべてに薬機法脚注を挿入。
- JSON-LDなどの構造化データで効能情報を明確化し、検索エンジンに正確に伝える。
- インサート法律テキスト・脚注例
- 「※個人の感想であり、効果を保証するものではありません」「※本製品は化粧品です。治療効果を保証するものではありません」などを入れること。
- 定期的な法改正ウォッチ
- 厚生労働省・消費者庁のウェブサイトで最新通知を確認し、社内マニュアルに反映。
- 改正スケジュールを逆算して早めに対応策を検討。
- 社内教育とマニュアル化
- 新人や外注クリエイター向けに薬機法研修を実施し、理解度テストを実施する。
- 薬機法対応マニュアルをGoogleドライブやConfluenceに保存し、改定履歴を明確にする。
まとめ
メンズ美容市場が拡大するなか、薬機法を正しく理解し、実践的に対応できるかどうかがブランドの命運を左右します。
今回は、薬機法の基本知識から化粧品・医薬部外品の効能表示の違い、SNSやインフルエンサー運用時のリスク管理、LP・広告制作で最低限確認すべき10のポイント、さらに実際に広告停止を回避しながら成果を出したD2CコスメA社、サブスク化粧品B社、医薬部外品C社の事例を解説しました。
すべてのデジタル接点で薬機法チェックリストを活用し、「誤解を与えない正確な情報提供」を徹底すれば、ユーザーからの信頼を獲得し、結果として売上アップにつながります。
リスクを恐れるのではなく、薬機法をブランド価値を高める武器と捉え、日々の運用に落とし込んでください。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。
皆さまのメンズ美容ビジネスが安心・安全に成長し続けることを心より応援いたします!

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